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一年後・・・。

「タカがいなくなると寂しくなるな。まさか本気だったとはな・・・。」
「言ったじゃないですか!本気だって(笑)」
「言ってたけど。でも、ホントに良いのか?せっかく店長まで慣れたのに。」
「何言ってるんですか、石川さんらしくないっすよ。」

「ばか、オレは現実主義者だっての。」
「ははは、確かにそうっすね。」
「借金はもう全部返し終わったのか?」
「おかげさまで、全部返済して、今は貯金もありますよ。」

「そっか。頑張ったな。」
「みんなのおかげですよ。僕、イエスで働いてホント良かったです。
 人生で大切なことをたくさん学ぶことが出来たと思います。」
「お前なら、うちじゃなくても大丈夫だったよ。」
「石川さんは、水戸に行くんですか?」

「いろいろ考えたけど、水戸の立ち上げに成功すれば、いよいよ支社長も夢じゃなくなるからな。」
「ってことは、勝算ありってことですね?」
「そんなとこだな。タカも一緒に連れて行きたかったけどな。」
「石川さんなら、僕がいなくても大丈夫ですよ。」
「当たり前だろ!イジメる奴がいないから連れて行こうと思っただけだ。」

「ははは。でも、石川店長、ホントいろいろありがとうございました。
 向こうに行ってもメールしますね。」
「おう。金髪ギャルの写真も一緒に送ってくれ。」
「それが目的じゃないですからね。」
「そっか。楽しんでこいよ!」
「はい、ありがとうございます。行ってきます。」


僕は約二年働いたイエスグループを辞めた。


それから一週間後、僕は千歳空港に居た。

チェックインカウンターで搭乗手続きを済ませ、搭乗口へ向かった。
これまでずっと心に描いていた夢が叶う喜び、自分を大きく成長させてくれた北海道の地を離れる寂しさ
そして他人と比較した時に自分の選択は正しかったのかという不安とが入り混じった複雑な心境だった。

そんな僕を勇気づけてくれたのは
いつも彼らだった。


「正太郎!正太郎!」


どこからか、僕の名前を呼んでいる声が聞こえてきた。
僕は辺りをキョロキョロと見渡した。
周りに居た人間も同じようにしていた。

10メートルほど後ろにいる3人の男が、手を振りながら小走りで近づいてきた。

「良かったべ!間に合った。」
「幸洋、お前が遅れたせいだぞ!」
「うっせーよ、勘治。お前がコンビニで早く選ばねーからだろ!」

「おおぉー。お前ら、何でいんの?」
僕は喜びを隠さなかった。

「決まってるべ、正太郎。お前の見送りだよ」
「ま、言いだしっぺは誰か言わなくてもわかるだろ。
 シゲと幸洋は近くだからイイけど、オレはわざわざ旭川から出てきたんだからな!」

「お前、こっちで用事があるって、おとついから札幌にいるだろ!」
「幸洋、何でお前はそういうことをバラすかな・・・。」


「シゲ、勘治、幸洋・・・マジでありがとうな。」


「シゲ」
何やら幸洋が合図を出すようなそんな素振りを見せた。
シゲはその合図に気づき、カバンから何やらゴソゴソと取り出した。

「正太郎、これ。」
そう言って紙袋を差し出した。

「邪魔になるかなって思ったけど・・・、向こうに行って使ってくれ。」

「僕は紙袋の中を覗いた。」
中には、新品のアディダスのジャージが入っていた。

「みんなからの餞別だ。あとこれも」
そうやって勘治は封筒を差し出した。

そこには
『体育研究室一同より』という文字が記されていた。

「女の子はみんな用事あって、行けなくてゴメンね、ってさ。」
「ホント、ありがとうな!マジで嬉しいべ。お前らと出逢えて良かったわ。」
「水臭いこと言うなよ、仲間だべ。」
「ああ、最高の仲間だ!」


新千歳空港発バンクーバー行きの飛行機に乗り込み
僕は人生で最も大切なことを学んだ大好きな北海道をあとにした。


僕の旅は始まったばかりだった。



あとがき

実は、このストーリーはモデルがいます。
名前こそ違いますが、何を隠そう僕自身の物語です。

正直、こんなことを世間に知らせるなんて恥ずかしいし、情けないと思いました。
でも、世の中にはきっと自分と同じように、失敗して何もかもおしまいと感じている人がいると思います。

この物語がそんな人達に
「正太郎に比べたら、自分の人生ってまだまだ大丈夫だな」って
一歩を踏み出す勇気を与えることが出来るかもしれないと思い書く事にしました。

この本はほぼノンフィクションです。
ただし、読者にとって読みやすくするために、起こった出来事の順番を変えたり、多少脚色している部分もあります。
それでも、実際に起こった出来事を書いているので、ぜひ読みながら自分ならどうするかということを考えて欲しいです。

そして「自分ならこうする」と考えた時に
『なぜ自分はその行動をとろうとするのか?』というところに着目して下さい。

人の行動には必ず理由があります。

心理学の一つに認知行動療法というのがありますが
『人は起こった出来事に対して感情を引き起こすのではなく
 その出来事に対してどう考えたかで感情が出てくる』というものです。

物語の中で、正太郎が成長していく様子を描いていますが
まさしくそれは『起こった出来事に対して、受け取り方を変えた』からこそ、成長することが出来たのです。

人は誰でも『成長したい』という欲求を持っています。
本来、『好奇心の塊』として人間は生まれてきます。

それが、成長していく過程で
良くも悪くも他者の影響を受けながら自分自身を作っていくのです。

当然、間違った影響を与えられれば間違った方向に進みますし
良い影響を与えられれば良い方向に進みます。
その結果が、今のあなたなのです。

でも、勘違いしないで下さいね。
選択権は常にあなたにあったはずです。

どこかで変えようとすればいつでも変えることができたはずです。
それをしなかったのはあなた自身です。

今日、この本を読んだあなたは、そのことに気づきました。
過去があるからこそ今がありますが、その過去を変えることはできません。
未来のことは誰もわかりません。
今はあなた次第です。

未来からすると、『今』は過去にあたります。
今を変えることは、未来を変えることにつながるのです。
「そんなことはわかってる。でも・・・。」と思っているあなた。
まずは、過去に起こった嫌な思い出を受け入れてみて下さい。
その嫌な過去に、そのおかげで今があると感謝してみて下さい。

それを繰り返していくことで
自分に起こる全ての出来事は自分の成長につながると思えるようになりますよ。

読んで頂いた皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。

この物語を天国にいるだろう大切な友人の恵美に捧げます。

これまで応援して頂きありがとうございます。

感謝
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2013.05.25 Sat l 高校教師の僕がホームレスでホストで風俗店員だったわけ l コメント (0) トラックバック (0) l top

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